収穫の喜びはプライスレス! ゼロから始める「ベランダ菜園」
たった一鉢置くだけで、すぐに始められるベランダ菜園の世界。趣味と実益を兼ねているうえ、自宅にいながらカンタンに楽しめてしまいます。今回は知識ゼロからでも始められる、ベランダ菜園についてご紹介します。


たった一鉢置くだけで、すぐに始められるベランダ菜園の世界。趣味と実益を兼ねているうえ、自宅にいながらカンタンに楽しめてしまいます。今回は知識ゼロからでも始められる、ベランダ菜園についてご紹介します。
ベランダ菜園とは、その名の通りベランダなどのちょっとしたスペースで野菜やハーブなどを育て、収穫すること。
といったメリットから、ベランダ菜園を始められる方が増えているとか。
具体的な育成方法を知る前に、2つの大原則を頭に入れておきましょう。
野菜の種はものすごく小さく、園芸店で見かける苗も小さな鉢に入れられているので、「片手で持てるくらいの鉢を用意すればいいかしら」と思いがちですが、実はそれが大きな勘違い。育成が比較的容易なミニトマトでも、最低でも直径35cm程度の鉢と20L以上の土が必要です。
「野菜の収穫高は、土の質や量に比例します。十分な環境を与えていれば100個収穫できたところ、少ない土では20~30個程度しか収穫できなかったりします。せっかく時間をかけて育てるのであれば、十分な土を用意してあげてください」
当然ですが、品種によって
・育成に適した時期/周辺環境
・育て方
・必要な道具
は変わります。品種ごとの詳細は購入した種や苗に書かれていることがほとんどですから、その内容をきちんと理解しましょう。
また、育成に適した時期はお住まいの地域によっても変わります。
ここでは、多くのベランダ菜園に当てはまる内容をご紹介しますので、選ばれた品種ごとにディテールをアレンジしてみてください。
植物が栄養とする窒素・リン酸・カリのバランスのよい土を用意しましょう。最近では育てたい品種に合った土が販売されていたり、ヤシの実のチップを使い、使用後は燃えるゴミとして捨てやすい商品もあります。
大きくわけて、次の2つがあります。
軽量で安価であることが多い。廃棄もしやすい。ただし、インテリア性に欠けることも多い。
排水性や通気性に優れ、インテリア性が高い。ただし、重く高価になりがち。
「性能でいえば、プラスチックを100点とすれば焼き物は120点。ベランダ菜園として使う分には、どちらでもかまいません」
実をつける多くの野菜は、支柱による支えが必要になります。これも大きく分けて2種類あります。
シンプルな棒状のもので鉢に垂直に挿して使う。苗がある程度強く自立しやすい品種の支えとして。枝豆など。
3本の支柱に複数のリングを備えた、あんどん仕立てのもの。実の重さで倒れやすい品種や、ツル性の品種に最適。トマトやきゅうり、ゴーヤなど。
「なお、ミニトマトでも大きく育てるには高さ120cmくらいの支柱が必要で、鉢を合わせれば150cmほどの高さになります。事前にスペースを用意しておきましょう」
肥料にもさまざまな種類があります。まず形状は2種類あり、一般的に次のような特徴があります。
即効性がある一方、使用後2週間ほどと効果がなくなるのも早い。
遅効性で1~2カ月ほど効果が持続する。
「基本は固形肥料を使って着実に育て、収穫の1カ月前から液体肥料に切り替えて実りをよくさせる、というやり方がオススメです」
また、原料の違いも。
油粕や米ぬか、魚粉などを原料としたもの。天然由来という安心感がある。ただ効果は比較的緩やかで、量を必要としニオイが気になる場合も。
自然界にある無機物を原料としたもの。効果に優れ、イヤなニオイもあまりない。ただ過度に使用すると、逆に苗や土にダメージを与えてしまう。
「こちらは好みによるところが大きく、オーガニック志向のある方やペットや子供への安全性を考えるなら、有機肥料がいいでしょう。ただ、こちらはにおう場合があるので、お隣や周りへの影響が気になるのなら化成肥料がいいと思います。効果もてきめんです」
この他、じょうろやスコップ、園芸はさみ、手袋、防虫剤なども用意しておきましょう。
なお、すべて揃えるのに5千円~1万円ほどかかります。
もちろん、肝心の苗がなくてははじまりません。
「全くの素人という人は、作りやすいミニトマトや葉物野菜、ハーブなどから始めてみてください。一度やり方を覚えてしまえば、育てるコツがわかってくるようになりますよ」
実際にベランダ菜園を行うときの
コツをお教えします。
基本中の基本。特に気温が高い季節は、1日1回の水やりを忘れずに。なお、苗を鉢に植え替えたときは特に水をあげてください。
土の質や量と同じくらい大切なのが日照量で、収穫高や出来に直結します。なるべく長時間日の当たる場所に置いてあげましょう。
旅行などで一定期間家を空ける場合は保水剤を使ったり、鉢受けに多めに水をためておく「腰水」を行う、といった対策を行いましょう。
収穫して苗を廃棄した鉢植えに次の苗を植える場合は、別の科の植物を植えるようにしましょう。同じ科の植物を植える(連作する)と、土中に必要な栄養素が枯渇していることがあり、うまく育ちません。
手塩にかけて育てた野菜やハーブを収穫し、
家族みんなでおいしくいただく喜びは、
まさにプライスレス。
それに、いまはスタートするのに
最も適した季節です。
ベランダ菜園、始めてみませんか?